Python文法-2

Pythonの基本文法の続きとして、特に重要で、実際のプログラムで頻繁に使う要素をいくつか解説します。


6. 演算子(Operators)

演算子は、値に対して様々な操作(計算、比較、論理判断など)を行うために使われます。

🔢 算術演算子

基本的な計算を行います。

演算子意味使用例結果
+足し算10 + 313
-引き算10 - 37
*掛け算10 * 330
/割り算(結果は浮動小数点数)10 / 33.333...
//整数の割り算(小数点以下を切り捨て)10 // 33
%割り算の余り10 % 31
**べき乗(累乗)2 ** 38

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⚖️ 比較演算子

二つの値を比較し、結果をブール値TrueまたはFalse)で返します。

演算子意味
==等しい
!=等しくない
>より大きい
<より小さい
>=以上(より大きいか等しい)
<=以下(より小さいか等しい)

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💡 論理演算子

複数の条件を組み合わせる際に使用します。

演算子意味
andかつ(両方の条件がTrueのときTrue
orまたは(どちらかの条件がTrueのときTrue
not否定(TrueFalseに、FalseTrueに反転)

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Python

x = 5
print(x > 3 and x < 10) # True かつ True -> True
print(x < 3 or x > 6)   # False または False -> False

7. while文(繰り返しのもう一つの形)

for文が回数やリストの要素に対して繰り返すのに対し、while文は条件が満たされている間、処理を繰り返します。

条件がいつまでもTrueのままだと、無限にループしてしまう(無限ループ)ので注意が必要です。

Python

count = 0
while count < 3: # countが3未満の間、繰り返す
    print(f"現在のカウント: {count}")
    count = count + 1 # 処理を続けるために、カウントを1増やす
# 出力: 
# 現在のカウント: 0
# 現在のカウント: 1
# 現在のカウント: 2

🛑 breakcontinue

ループ(forwhile)の中で、処理の流れを制御するキーワードです。

  • break: ループ自体を完全に終了し、ループの次の行に処理を移します。
  • continue: 現在の繰り返しだけをスキップし、ループの次の繰り返し処理に移ります。

Python

for num in range(10):
    if num == 3:
        continue # numが3のときはprintをスキップして次の繰り返しへ
    if num == 7:
        break    # numが7になったらループ全体を終了
    print(num)
# 出力: 0, 1, 2, 4, 5, 6

8. モジュールとインポート

Pythonでは、便利な機能をまとめたファイルをモジュールと呼びます。他の人が作ったモジュールをプログラムに取り込むことで、自分で全てコーディングしなくても高度な機能を使えるようになります。

モジュールを使用するには**import**文を使います。

🔢 importの基本形

Python

# 標準ライブラリのmathモジュールをインポート
import math

# mathモジュールの中にある平方根を計算するsqrt関数を使う
print(math.sqrt(16)) # 出力: 4.0

🅰️ エイリアス(別名)を付ける

長いモジュール名に短い別名を付けて、コードを簡潔に書くことができます。データ分析でよく使われる手法です。

Python

import pandas as pd # pandasモジュールにpdという別名を付ける

# これ以降はpd.xxx の形式で関数を呼び出す
# data = pd.DataFrame(...) 

🌟 特定の関数だけを取り込む

モジュール全体ではなく、特定の関数やクラスだけを直接インポートすることもできます。この場合、関数名にモジュール名を付ける必要がなくなります。

Python

from random import randint # randomモジュールからrandint関数だけをインポート

# 直接randint関数を呼び出す
print(randint(1, 10)) # 1から10までのランダムな整数を生成