エピローグ
達也と大山が骨董屋を出て、夏の喧騒が包む路地を歩き始めたとき、達也はふと立ち止まり、振り返った。
緑色の屋根の小さな骨董店「時の音」は、強烈な日差しの中、まるで何もなかったかのように静かに佇んでいる。
「どうした?」大山が尋ねた。
達也は首を横に振った。「いや、なんでもない。ただ、ちゃんと時間が動いているか、確認したかっただけだ」
「そりゃ動くだろ。お前、疲れてるんじゃないか? 休憩ばかりしてられないぞ」大山は笑った。
どうやら、大山は自然とあの時の記憶をなくしたようだ。
自分だけが二つの時間の記憶を持つ、時間の守り人となったのだ。
達也の視界の隅に、ショーウインドウの水のトリックが映った。

(続く)
時の音 -1
時の音 -2
時の音 -3
時の音 -4
時の音 -5
時の音 -6
時の音 -7
時の音 -8
時の音 -9
時の音 -10
時の音 -11
時の音 -12
時の音 -13
時の音 -14
時の音 -15
書籍サイトの紹介
Amazon 書籍

Amazon Kindle

音声で本を聞くAudible

