最初のプログラム -Hello World-
まず、C言語で最もよく使われる「Hello World」を出力するプログラムを見てみましょう。
#include <stdio.h>
int main(void) {
printf("Hello World!\n");
return 0;
}
プログラムの解説
#include <stdio.h>
:- プリプロセッサ指令と呼ばれ、プログラムをコンパイルする前に実行される命令です。
stdio.h
(Standard Input/Output Header)という名前のファイルを読み込むように指定しており、これによってprintf
関数などの標準入出力のための機能が使えるようになります。
int main(void)
:- C言語プログラムの実行が開始される特別な関数です。
main
関数は必ず必要で、処理のエントリーポイントとなります。int
は、この関数が整数型の値を返すことを意味します。void
は、この関数が引数(入力)を取らないことを意味します。
{ ... }
:- 関数の**処理の本体(ブロック)**を示します。この中に関数が行うべき処理を記述します。
printf("Hello World!\n");
:stdio.h
で定義されている標準出力関数の一つで、括弧内の文字列を画面に出力します。- 文字列は必ずダブルクォーテーション
"
で囲みます。 \n
は改行を意味するエスケープシーケンスです。
return 0;
:main
関数の処理を終了し、呼び出し元(OSなど)に0という値(戻り値)を返します。- 慣習として、
0
はプログラムが正常に終了したことを意味します。
;
(セミコロン):- C言語では、ほとんどの文の終わりにこのセミコロンを付けて、文の区切りを示します。
C言語の基本的な文法要素
C言語の学習を進める上で、次に知っておくべき基本的な要素は以下の通りです。
1. 変数とデータ型
プログラムで値を記憶するために変数を使います。変数を使うには、まずデータ型と名前を指定して宣言する必要があります。
データ型 | 意味 | 主な用途 |
int | 整数型 | 整数値(-10, 0, 100など)を格納 |
double | 浮動小数点数型 | 小数を含む数値(3.14, -0.5など)を格納 |
char | 文字型 | 1文字(’a’, ‘Z’, ‘0’など)を格納 |
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例:
int num = 10; // 整数型の変数numを宣言し、10で初期化
double pi = 3.14159; // 浮動小数点数型の変数piを宣言し、値で初期化
2. 演算子
値の計算や比較を行うために演算子を使います。
種類 | 演算子 | 意味 | 例 |
算術演算子 | + , - , * , / , % | 加算、減算、乗算、除算、剰余(あまり) | 10 % 3 は 1 |
代入演算子 | = | 右辺の値を左辺の変数に代入 | a = b |
比較演算子 | == , != , > , < , >= , <= | 等しい、等しくない、より大きい、など | x == 5 |
論理演算子 | && (AND), ` | (OR), !` (NOT) |
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3. 条件分岐(if
文)
条件によって処理を振り分けるには**if
文**を使います。
if (num > 0) {
printf("正の数です\n");
} else if (num == 0) {
printf("0です\n");
} else {
printf("負の数です\n");
}
4. 繰り返し処理(for
文, while
文)
同じ処理を繰り返すには**for
文やwhile
文**を使います。
// 1から5まで出力
for (int i = 1; i <= 5; i++) {
printf("%d\n", i); // iの値を10進数で出力
}
次のステップ
C言語は、ポインタや配列、関数といった要素が重要になってきますが、まずは上記のような基本的な構文を使って、小さなプログラムを実際に書いて動かし、エラーを解決しながら学んでいくのが効果的です。