メソッドとは、特定の処理をひとまとまりにした「名前のついた処理ブロック」です。同じ処理をプログラムの様々な場所で何度も実行したい場合に、メソッドとして定義しておけば、その名前を呼び出すだけで実行でき、コードの再利用性が高まります。
1. メソッドの基本形
メソッドの定義は、以下の要素で構成されます。
Java
public static 戻り値の型 メソッド名(引数の型 引数名, ...) {
// 実行したい処理
return 戻り値; // 戻り値の型が void 以外の場合に必要
}
public static: 初期の段階では、これらは「おまじない」と考えて、このまま付けておくと理解しやすいです。(詳細:publicはどこからでもアクセス可能、staticはオブジェクトを生成しなくても呼び出し可能、という意味です。)戻り値の型: メソッドが処理を終えた後に、呼び出し元に返すデータの型です。何も返さない場合は**void**を指定します。メソッド名: 処理内容を表す名前を付けます。引数(ひきすう): メソッドが処理を実行するために外部から受け取るデータです。不要な場合は丸括弧()の中身は空にします。
2. 具体的な実行例
A. 戻り値なし(void型)のメソッド
引数を受け取り、画面に挨拶を出力するだけのメソッドです。値を返しません。
Java
public class MethodExample {
// メソッドの定義
public static void greet(String name) {
System.out.println("こんにちは、" + name + "さん!");
// voidなので return は不要
}
public static void main(String[] args) {
// メソッドの呼び出し
greet("太郎"); // 出力: こんにちは、太郎さん!
greet("花子"); // 出力: こんにちは、花子さん!
}
}
B. 戻り値あり(int型)のメソッド
2つの整数を引数として受け取り、その合計を計算して呼び出し元に返すメソッドです。
Java
public class MethodExample {
// 戻り値の型を int に指定
public static int add(int a, int b) {
int sum = a + b;
return sum; // 計算結果 (sum) を呼び出し元に返す
}
public static void main(String[] args) {
// メソッドを呼び出し、返された値を変数 result に代入
int result = add(10, 5);
System.out.println("合計: " + result); // 出力: 合計: 15
// 呼び出しと同時に直接出力することも可能
System.out.println("別の合計: " + add(30, 2)); // 出力: 別の合計: 32
}
}
メソッドをマスターすると、プログラムの構造が整理され、理解しやすく、管理しやすいコードを書くことができるようになります。

