2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、お子さまの学習に関心を持つ保護者の方も増えています。しかし、「プログラミング」と聞くと専門的で難しいイメージがあるかもしれません。
実は、小学校でのプログラミング学習は、将来エンジニアを目指すための**「コーディング技術の習得」が主目的ではありません**。むしろ、現代社会で必須となる**「プログラミング的思考」**を育むことが最大のねらいとされています。
💡 プログラミング的思考とは?
プログラミング的思考とは、目的を達成するための一連の手順を論理的に考え、効率的な解決方法を見つけ出す力です。
具体的には、以下の要素を含みます。
- 分解する力: 複雑な問題や目標を、小さなタスクや手順に細かく分ける力。
- 順序立てる力: 分解したタスクを正しい順序で並べる力(順次処理)。
- 抽象化・一般化する力: 似たような処理を繰り返しとしてまとめたり(反復処理)、特定の条件に応じて動きを変える仕組み(条件分岐)を考えたりする力。
- 試行錯誤する力: 失敗を恐れずにトライ&エラーを繰り返し、より良い解決策を導き出す力。
これは、プログラミングだけでなく、算数や理科の学習、日々の問題解決など、あらゆる場面で役立つ普遍的な思考力です。
📝 小学校でのプログラミング教育の実際
小学校では「プログラミング」という教科が新設されたわけではなく、国語、算数、理科などの既存教科の授業内で取り入れられています。
- 算数: 図形の性質を学習する際に、コンピューターに正確な図形を描かせるための手順を考える。
- 理科: 電気の性質を学ぶ際に、センサーが反応したらLEDを点灯させるプログラムを組んで実験する。
主に、Scratch(スクラッチ)やViscuit(ビスケット)といった、文字を使わずブロックや絵を組み合わせてプログラムを作るビジュアルプログラミング言語が教材として活用されています。これらは、低学年からでも直感的に操作できるのが特長です。
🏠 家庭でできるプログラミング学習
学校教育を補完し、お子さまの興味をさらに深めるために、家庭での学習もおすすめです。
| 学習方法 | おすすめの教材/サービス | 特徴 |
| 無料のWebサービス | Scratch(スクラッチ)、Viscuit(ビスケット)、Code.org | 費用をかけずに始められ、多くが日本語に対応。世界中で利用される定番教材。 |
| プログラミング教材 | 教育版マインクラフト、レゴ®エデュケーション、micro:bit | ゲームやロボットなど、お子さまの興味のある分野と連携して楽しく学べる。 |
| プログラミング教室 | QUREO(キュレオ)、N Code Labo.、LITALICOワンダーなど | 体系的に学べ、専門の講師から指導を受けられる。オンラインや通学形式がある。 |
大切なのは、プログラミングを「暗記するもの」ではなく「自分のアイデアを実現するための道具」として捉え、楽しみながら挑戦することです。親子で一緒にゲームを作ってみるなど、お子さまの興味を引き出す工夫をしてみましょう。
